私はいったい何をしているのだろう

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橋本記事の参考文献 【12】 近代京都府八幡市の住民生活

Posted by 独虚坊 慥調


いつまで続く橋本記事の参考文献紹介、
一応、今回で最終回ということにさせてもらいましょう。
というわけでラストを飾るのは、守屋敬彦『近代京都府八幡市の住民生活』。
何故か道都大学の1985年の紀要に掲載されてる、まあ論文であります。
書いた守屋敬彦という人は、一体どこのどういう人なんでしょうか。


明治・大正期における八幡の住民生活ということで、
当然のように遊郭の再興および隆盛についても、相当触れられています。


八幡市誌における遊廓記述と似た内容が多いので、
どちらかがどちらかを参考にしたか、あるいは執筆した人が同じなんでしょうか。
ただ、こちらの方ももうちょっと細かく、興味深かったりはします。


こんなのも、あったり。
私は京都府立資料館で読みました。確か、開架。写真は、もちろんコピー。
入手する方法なんか、あるのかな。大学自体にも、なかったりして。

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橋本記事の参考文献 【11】 好色一代男

Posted by 独虚坊 慥調


どこまで続く橋本記事の参考文献、
今回は井原西鶴 『好色一代男』 であります。
私が読んだのは、府立図書館にあった何ちゃら全集。
巻三の「恋のすて銀」に、ちょこっとだけ江戸期の橋本が出てきます。
「売子・浮世比丘尼のあつまり」と、なかなかファンキーな有様だったようです。


橋本のみならず、八幡の方でも色々面白い話が出てきたりして。
柴座のあたりにかつて、美人を京都から取り寄せて裸相撲を取らせたり、
陰毛が透ける格好をさせて楽しんでた金持ちがいたそうです。
思いっきり小学生の頃の私の通学路だった辺ですが、そんな金持ち、いたかな。


現在も「柴座」の地名は残ってて、淀屋の屋敷跡もあったりします。
淀屋は、大阪に淀屋橋を架けた豪商。豪商過ぎて潰され、八幡へ流れてきたと。
楽しい金持ち、淀屋かな。でも、淀屋と好色一代男、時代的に合うのかな。


あ、一応「柴座」の標識。現在は普通の住宅街であります。

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橋本記事の参考文献 【10】 狂い咲き

Posted by 独虚坊 慥調


本当にいつまで続く橋本記事の参考文献、
今回は、【2】のイントロで引用した川野彰子 『狂い咲き』 です。
1964年刊 『廓育ち』 所収。私は京都府立図書館の蔵書で読みました。写真はコピー。
川野彰子は、田辺聖子の「カモカのおっちゃん」こと川野純夫の、死別した前妻。
この本の表題作などが直木賞候補になるも、残念ながら早世しています。


『狂い咲き』 には、京都中心部の廓でいびり倒された女が、
逃げ出した末に 「片田舎」の「離れ島のような遊廓」である橋本へ流れてくるシーンあり。
といっても、話の舞台は基本的に京都であり、橋本の記述は割と少なめ。
橋本云々を抜きにしても、いわゆる「エゲツない」内容で充分読ませる作品ですが。


ただ、遊廓廃止直前の橋本の雰囲気みたいなのは、感じられるかも。
山崎との舟運が現役だったことを示す下りも登場。あ、新京阪とは、今の阪急。

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橋本記事の参考文献 【9】 淀川

Posted by 独虚坊 慥調


ひさしぶりを通り越して、
一体いつまで続くのかという感じの橋本記事の参考文献、
今回は井上俊夫 『淀川』 でございます。
1957年刊。写真に写ってるのは、図書館でとったコピー。
井上俊夫というのは、私はよく存じませんが、詩人の方だそうですよ。
で、その井上氏が淀川について色々書かれたのが、この本。
昭和32年当時の淀川周辺の感じが伝わる内容になってます。


で、その一環として、橋本ももちろん出てくるわけです。
廃止直前の荒れた感じな街の姿が、2頁程度ですが描かれてます。
「駅を降りたところがすぐ遊廓の入口といった具合」とか、
「あくどい化粧をした女がまちかまえていたように袖をひきます」と。
この写真は、うちの記事の【2】で渡った橋から撮ったものでしょうか。
かつては、こんなネオンなゲートが建ってたんですかね。


本には、当時の感覚に基づいた地図も乗ってます。
売防法施行以前なので、橋本には堂々と娼妓らしき姿が登場。
関係ないですが、宇治にはまだ天ヶ瀬ダムがなくて、
おどき列車が描かれてたりして、その辺もまた、時代です。

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橋本記事の参考文献 【8】 鬼龍院花子の生涯 映画版

Posted by 独虚坊 慥調


ひさしぶりの橋本記事の参考文献
というかいつまでやるんだな感じの橋本記事の参考文献、
今回は『鬼龍院花子の生涯』の映画版です。
知ってる方には説明不要、知らない方には説明面倒、
そんな映画の冒頭とラストシーンに、橋本が出てきます。
写真は、定額制動画サイトのHULUで観てる、冒頭シーン。
多分、今は亡き小金川橋を渡って橋本へ入る、夏目雅子。


で、ラスト、今度は小金川橋を渡って橋本へ去る、夏目雅子。
この橋脚が、今もポツンと残ってます。あくまで小金川橋だったらの話ですが。


で、京阪国道を歩いていく(多分嘘)、夏目雅子のラストカット。
こんな適当な話も、橋本記事では結構書いてます。
全くどうでもいいことですが、HULU、去年末にこの映画の確認のため入会したら、
そのまま何も見ないままで今日に至っていた・・・。

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橋本記事の参考文献 【7】 全国遊廓案内

Posted by 独虚坊 慥調


橋本記事の参考文献 、今回は『全国遊廓案内』です。
1930年 = 昭和5年、日本遊覧社から出された、文字通りの遊廓ガイド。
原本は当然絶版というか、日本遊覧社自体が行方不明ですが、
現在は何故か国立国会図書館の近代デジタルライブラリー読むことができます
私は、『コレクション・モダン都市文化 第34巻 遊廓と売春』に再録されてたのを、
図書館で借りて読みましたが。


橋本遊廓、いやここでは「八幡町遊廓」が登場するのは、コマ番号174。
何故「八幡町遊廓」と書かれるのかについては、記事の中でも妄想してますが、
他にも「川岸に絃歌のさんざめく邉りは實に別世界の感じがある」や
「附近に柳谷観世音」「松茸が名物」など、やや怪しい記述が散見できたりします。
現代でいえば、下請けライターのリサーチ不足な仕事っぽい感じというか。
いや、それとも昔は松茸、採れたのかな。柳谷観世音が近かったとは思えんけど。

この時点での橋本、「娼妓470名、芸妓30名」だったようですが、
ちょうどこの頃起こった恐慌の影響で、さらに娼妓は増え、芸妓は減るわけです。

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橋本記事の参考文献 【6】 蘆刈

Posted by 独虚坊 慥調


橋本記事の参考文献、昨日が「蘆刈夢幻」だったので、
今日はその本家というか元ネタである、谷崎潤一郎の『蘆刈』です。
といっても、橋本に触れてる部分はほとんどない話なんですけど。
入手先は、増税前のブックオフ100均棚。何か知らんけど、谷崎、すまん。


「わたし」は、住んでいた「おかもと」から阪急に乗り、
水無瀬神宮へ向かうべく新京阪へ乗り換えて、山崎へ降り立つ。
で、立ち寄った饂飩屋で、対岸・橋本に遊廓があり、渡し舟があると聞く。
で、乗り、途中の中洲で「お遊さん」を巡る不思議な関係を語る「おとこ」に会うわけです。
ゆえに、渡し船の雰囲気以外、橋本的には参考になるとこ、あまりなし。
「おとこ」が「月のひかりに溶け入るようにきえてしまった」後、
谷崎が渡し船で橋本へやってきて、登楼したかどうかも、不明。
あ、ちなみに新京阪は、現・阪急京都線。元々、京阪が作ったんですよ、あれ。


あ、谷崎が立ち寄った饂飩屋、山崎で現在も営業中です。
かぎ卯ってとこ。厳密な住所は大阪府島本町ですけど。

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橋本記事の参考文献 【5】 太陽 1987年5月号

Posted by 独虚坊 慥調


橋本記事の参考文献、今回は雑誌『太陽』 です。
1987年5月号に、村松友視の「幻の橋本遊廓を行く」という記事が載ってます。
「私の京都案内」なる特集として、谷崎の「蘆刈」絡みで橋本が書かれた記事です。
図書館か何かで読んだことがありましたが、ブックオフで偶然、身柄確保。


記事の最初のページ。
放生川 aka 大谷川の向こうに、今は亡き小金川橋が写ってます。
「鬼龍院花子」の冒頭&ラストシーンが撮られたんじゃないかと思う橋です。
今は、橋脚が残るのみ。この川の土手側が、補強工事してるんですよ。


記事の内容は、「蘆刈夢幻」と副題が付いてる通り、かなり谷崎寄り。
で、『蘆刈』に橋本は直接関係ないので、正直、さほど得られるものはない・・・。
ただ、写真は結構、面白いですよ。この矢尾力のも。ここは今もほとんど同じですが。
この店のカウンター奥に、この『太陽』が置かれてます。著者がお礼に持ってきたとか。


多津見旅館でも、撮ってます。バ━━━━━ンであります。
ステンドグラスの男女の顔に、まだ表情が残ってるのが、時代というか。
どうでもいいけど、取材協力の表記で別の転業旅館の名が出てるのは、何故。
記事、写真抜きなら『日本の名随筆 別巻15 色街』でも読めます。

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橋本記事の参考文献 【4】 鬼龍院花子の生涯

Posted by 独虚坊 慥調


宮尾登美子が亡くなりました。
というわけで、というのもちょっと何ですが、
橋本記事の参考文献、今回は『鬼龍院花子の生涯』です。
といっても、原作のこちらには橋本は登場せず、
映画との相違を確認しただけなんですが。


とはいえ、原作でも末路は哀しい花子でありました。
どうでもいいけど、映画版のDVD、うちの近所には全然ないのですよ。
しょうがないから、HULUに入って見ましたよ。
あ、例の夏目雅子の「なめたらいかんぜよ」も、原作にはありませんよ。


というわけで、
ベビメタ『メギツネ』の「なめたらいかんぜよ」も、当然関係ありません。
でも張ってしまうくらい、中毒が止まらない・・・。

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橋本記事の参考文献 【3】 八幡市誌

Posted by 独虚坊 慥調


橋本記事の参考文献、今回は八幡市誌。
たぶん昭和末期、最も八幡が元気だった頃に出版されたもの。
文字通り市誌なので、遊廓絡みの記述は少なめですが、
それ以外の橋本陣屋&売防法施行後&宅地開発といったあたりは、
概ねこの本を参考にしてます。


記述が少なめとはいえ、ちょこっと写真もあったり。
本文でもちょこっと書きましたが、この建物、好きだったんですよね。

購入するのはオクでも難しい状態だと思いますが、
現市長の娘のイラスト箱でもつけて再版したら、売れるかもね。
京都府立&市立の図書館なら、結構あちこちで置いてます。
私はもちろん、図書館で読んで、コピー。

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